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40代で生理周期が短くなるのはなぜ?変化の理由とこれから起こる体の変化を解説

【この記事の監修者】

千田信子(薬剤師・国際中医師)

株式会社自然の薬箱 代表取締役。薬剤師としての長年の経験に加え、国際中医師として東洋医学の知識を活かし、多くの方々の健康をサポートしている。漢方薬や自然療法を取り入れた独自のアプローチで、心と体のバランスを整えることを目指している。現在は、漢方薬局での漢方相談の他、アロマやハーブ・薬膳などの講座、ヨガや気功などのレッスンの開催を通じて多方面で活動中。
【取得資格】
・薬剤師
・国際中医師
・ (公社)日本アロマ環境協会(AEAJ)認定 アロマセラピスト
・ AEAJ認定アロマテラピーインストラクター
・AEAJ認定アロマブレンドデザイナー
・yuica認定日本産精油スペシャリスト
・グリーンフラスコ認定J-herbマイスター

※監修者は記事執筆者とは異なります
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40代に入ると、生理周期や経血量に変化が現れることがあります。特にこの時期は、女性ホルモンの分泌が不安定になり始めることが多く、生理周期が以前に比べて短くなることもあります。
この記事では、生理周期が短くなる理由を中心に、これから起こり得る体の変化や改善法について、順番にわかりやすく解説します。

40代で生理周期が短くなる主な理由

40代になると、女性ホルモンの分泌が乱れやすくなり、生理周期に変化が現れやすくなります。特に「プレ更年期」と呼ばれる時期は、ホルモンのゆらぎから周期が短くなることがあります。

プレ更年期

プレ更年期とは、30代後半から40代半ばにかけての時期を指します。一般的に更年期は閉経の前後5年間(計10年間)とされており、日本人の平均閉経年齢は50歳前後ですから、40代の前半はプレ更年期にあたります。プレ更年期は心身の変化が始まる時期と位置付けられており、生理周期が不規則になることがあります。

生理周期が短くなる背景

40代で生理周期が短くなる理由としては、卵巣機能の低下により、脳が卵巣へ排卵を促す指令(卵胞刺激ホルモン)を強く出しすぎることで、排卵が早まることが一因とされています。また、ホルモンバランスの乱れによって黄体期を支えるプロゲステロンが十分に分泌されず、生理までの期間が短くなることも影響します。これらは40代にみられる変化の一例であり、個人差もありますが、生理周期が短くなる背景としてよく見られるパターンです。

受診が必要なサイン

生理周期が短くなることは、プレ更年期の多くの女性に見られる自然な変化で、「短くなる=異常」というわけではありません。ただし、次のような症状がある場合には、自己判断せず早めに医療機関を受診しましょう。

● 生理以外の出血(不正出血)がある
● 出血が長く続く
● 出血量が異常に多い
● 急に生理が止まり、その後戻らない
● 強い痛みや発熱を伴う

これらの症状は、ホルモンバランスの変化以外にも、子宮や卵巣の状態が影響している場合があります。必ずしも重大な病気というわけではありませんが、中には以下のような疾患が見つかる場合もあります。

子宮頸がん

子宮頸がんは、比較的若い年齢から発症する可能性があり、特に30代や40代での発症が多い病気です。主にHPVウイルスが原因で子宮頚部に発生するがんで、予防のためにはHPVワクチンがあります。
しかし、現在の30代後半以降の世代の多くはワクチン接種を受けていない場合がほとんどです。子宮頸がんの主な症状には、不正出血や血便、性交渉時の出血、おりものの増加、下腹部痛、腰痛などがあります。

子宮体がん

子宮体がんは、40代後半から増加し、50代から60代にかけて多く発症するがんです。最も多い症状は出血で、約90%の患者に不正出血が見られます。月経ではない期間や閉経後に出血がある場合は注意が必要です。出血の程度には、おりものに血が混ざり、褐色になるだけのものもあります。進行すると、下腹部の痛み、性交時の痛み、腰痛、下肢のむくみなどの症状が出ることもあります。
主に子宮内膜で発生するがんであり、検診時に痛みを伴うことがあります。早期発見すれば寛解できる可能性があるため、不正出血のある方は積極的に検査を受けるのがおすすめです。

更年期に見られやすい症状

プレ更年期~更年期にかけては、次のような症状が現れることがあります。

● ホットフラッシュ
● 関節の痛み
● イライラや気持ちの落ち込み

順に解説します。

ホットフラッシュ

ホットフラッシュは更年期障害の代表的な症状の一つで、「のぼせ」や「ほてり」が現れます。これは、エストロゲンの低下に伴って、自律神経や脳の視床下部からの司令が混乱し、体温調節を担う血管運動神経がうまく働かなくなることが原因です。
「のぼせ」は、頭に血が上ったような感覚であり、出現するタイミングやパターンは個人によって異なります。また「ほてり」は、体が熱くなり、顔が紅潮し汗をかく症状で、冬でも暑がることがあります。特に顔周辺での汗が多い傾向があり、時間に関係無く発生します。夜寝ているときに起こる場合も珍しくありません。

関節の痛み

更年期によく見られる症状の一つに、体の様々な部位の痛みがあります。肩こり、腰痛、背中の痛みが顕著になったり、手指や膝、足裏などが痛むこともあります。これは、エストロゲンの減少によって、血行が悪くなり、筋肉・関節の柔軟性を保つ働きが低下することが大きく影響しています。さらに、ストレス、不眠、年齢による筋骨格系の衰え、筋肉の疲れなども加わってつらい症状を引き起こします。

イライラや気持ちの落ち込み

更年期では感情のコントロールが難しくなり、イライラや怒りを感じやすくなることがあります。原因として、エストロゲンの急激な減少により、心身を安定させる「幸せホルモン」といわれるセロトニンの分泌も減り、自律神経が乱れることが挙げられます。

更年期症状の改善法

更年期症状の改善法を6つご紹介します。

● 質の良い睡眠をとる
● 運動をする
● 食生活を見直す
● 自分にあったリラックス方法を見つける
● ホルモン治療をする
● 漢方薬を飲む

順に解説します。

質の良い睡眠をとる

自律神経の乱れによる睡眠不足は、さらなる不調を引き起こす可能性が高くなります。自律神経のバランスを整えるために、質の高い睡眠を意識して取りましょう。
デジタル機器の強い光を避けたり、深呼吸やストレッチをしたりするなどの対策が効果的です。また、カフェインやアルコールの摂取を控えるのも良いでしょう。更年期の症状などで眠りにつけない場合は、我慢せずに医療機関へ相談するようにしてください。

運動をする

ウォーキングやヨガ、ストレッチといった適度な運動は、副交感神経の働きを促進し、自律神経を整える効果があります。軽い運動を楽しみながら行うことで、ストレスの解消やホルモンの分泌促進などの効果も期待できます。
ただし、過度な運動は交感神経を高ぶらせて自律神経のバランスを乱す可能性があるため、注意が必要です。 心地よいと感じる程度の運動量で行うのが良いでしょう。

食生活を見直す

食生活を見直すことも大切です。不規則な食生活は、自律神経のバランスを乱します。したがって、食事は毎日3食、規則正しく摂るのが理想です。バランスのよい食事を心がけましょう。

自分にあったリラックス方法を見つける

イライラしやすくなることがありますが、こうした心の不調をやわらげるには、自分にとって心地よいと感じるリラックス方法を見つけることが大切です。

アロマセラピーを取り入れる

心地よいと感じるアロマを香らせたり、アロマトリートメントを受けるなどのアロマセラピーで、気持ちを安定させることも有効な改善法の一つです。

整体やカイロプラクティックを利用する

慢性的なこりや身体のゆがみがある場合は、整体やカイロプラクティックといった施術で体を整えることも一つの方法です。血流がよくなり、気分の改善につながることがあります。

気分転換できる時間をつくる

友人との会話を楽しんだり、好きな趣味に没頭したりすることで、心が軽くなることがあります。自分が「楽しい」「安心できる」と感じる時間を意識的に作ることは、更年期を上手に乗り切るうえでとても重要です。

ホルモン治療をする

ホルモン補充療法(HRT)は、更年期障害の改善にエストロゲン(卵胞ホルモン)補充を行う治療法です。ほてりやのぼせ、発汗などの症状に対して高い効果があります。HRTには内服薬と経皮薬の2種類があり、最近ではエストロゲンと黄体ホルモンを含む新しいタイプの貼り薬も登場しています。

漢方薬を飲む

漢方薬は、中国から伝わったものを日本で発展させたもので、自然由来の生薬を組み合わせて作られた薬です。更年期障害の改善に効果がある漢方薬は主に3つあります。

● 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
● 加味逍遙散(かみしょうようさん)
● 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

順に解説します。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

当帰芍薬散は体力虚弱で、冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすく、ときに下腹部痛、頭重、めまい、むくみ、肩こり、耳鳴り、動悸などを訴える方に適しています。血流や水分代謝を良くすることで体全体を温め、更年期障害や冷え性などの改善に効果を発揮します。当帰芍薬散は婦人科三大漢方薬の一つで、女性特有の体の不調を感じる方に相性の良い漢方薬です。

加味逍遙散(かみしょうようさん)

加味逍遙散も婦人科三大漢方薬の一つです。体力中等度以下で、のぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちなどの精神神経症状、ときに便秘の傾向のある方に適しています。生理に関連する不調や更年期障害といった女性特有の症状に効果があります。更年期に伴う肩こりやめまいなどの不調だけでなく、のぼせや発汗、イライラ、不安などの心理的な不調にも広く用いられます。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

桂枝茯苓丸は比較的体力があり、のぼせるのに足が冷える方、下腹部の痛みを感じる方に適した漢方薬です。上記2種類の漢方薬同様に、婦人科三大漢方薬の一つでもあり、血流を改善する働きに優れ、生理に関連する不調や更年期障害、頭痛、肩こり、めまいなどにも効果があります。

婦人科三大漢方薬の他にも、更年期障害に使われる漢方薬は、数多くあります。お悩みの症状や体質に応じて選ぶことが重要ですので、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのも良い方法です。

閉経後に気をつけたい症状

閉経後には、以下のような生活習慣病が起こりやすいと言われています。症状の進行は更年期から徐々に進みますので、知っておくことが大切です。

肥満 体内のエストロゲンが低下することにより脂肪の燃焼が減少し、体重が増加しやすくなります。これに加えて、体脂肪の分布が上半身型(内臓脂肪型)に変化する傾向があります。このような体脂肪の増加は、メタボリックシンドロームのリスクを高める要因にもなります。
高脂血症 総コレステロールとLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が急速に上昇します。一方、HDLコレステロール(善玉コレステロール)は減少する傾向があります。
動脈硬化 女性ホルモンの減少により脂質や糖の代謝異常や血圧の上昇、肥満などを引き起こしやすくなることで、動脈硬化の進展につながる可能性があります。
骨粗しょう症 エストロゲンの減少によって骨量が低下して骨粗しょう症のリスクが高まります。

 

【まとめ】40代で生理周期が短くなることは珍しくない。変化を知りながら焦らずうまく対処しよう

40代では女性ホルモンのゆらぎにより生理周期が短くなることがあります。更年期が始まるタイミングは人によって異なりますが、40歳を迎えたら更年期を意識し始めるのが良いでしょう。前もって心の準備をしておくことで、更年期の症状が辛い時、自分の心と体を大切にする余裕が持てます。
ただし、症状がつらい時には我慢せず、医療機関を受診しましょう。自分の心と体に向き合い、少しでも快適な更年期を過ごせるように対策をしていくことが大切です。

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