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30代で生理周期が短くなった原因とは?プレ更年期との関係や対処法も解説

【この記事の監修者】

千田信子(薬剤師・国際中医師)

株式会社自然の薬箱 代表取締役。薬剤師としての長年の経験に加え、国際中医師として東洋医学の知識を活かし、多くの方々の健康をサポートしている。漢方薬や自然療法を取り入れた独自のアプローチで、心と体のバランスを整えることを目指している。現在は、漢方薬局での漢方相談の他、アロマやハーブ・薬膳などの講座、ヨガや気功などのレッスンの開催を通じて多方面で活動中。
【取得資格】
・薬剤師
・国際中医師
・ (公社)日本アロマ環境協会(AEAJ)認定 アロマセラピスト
・ AEAJ認定アロマテラピーインストラクター
・AEAJ認定アロマブレンドデザイナー
・yuica認定日本産精油スペシャリスト
・グリーンフラスコ認定J-herbマイスター

※監修者は記事執筆者とは異なります
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30代を迎え、生理周期が短くなった、経血の量が減ったなどの症状を感じる方は多いのではないでしょうか。子宮や卵巣に病変がある可能性も考えられますが、そのほかに、女性ホルモンが減少し始める「プレ更年期※」の場合もあります。今回は生理周期が短くなる原因と対処法、そしてプレ更年期との関係性について解説します。

※「プレ更年期」は医学用語ではありませんが、更年期に至る前の段階を表すために一般的に使用されている言葉です。

年齢と生理周期の関係

生理周期は、年齢とともに変化します。プレ更年期と言われる30代後半から40代前半は、短い周期で生理が来る「頻発月経」を訴える方が多く見受けられます。また、更年期を迎えると生理周期が短くなる傾向があり、頻発月経が続いた後に生理と生理の間隔が徐々に長くなってくると閉経が近いと言われています。そして、生理が来ない状態が12か月以上続けば、閉経と診断されます。

30代で生理周期が短くなる主な原因

冒頭で述べた通り、30代で生理周期が短くなる主な原因は、子宮や卵巣の疾患などの原因も考えられますが、プレ更年期が影響している可能性もあります。プレ更年期とは30代後半〜40代前半の女性に起こる心身の不調の総称です。
30代半ばから、女性ホルモンの1つであるエストロゲン(卵胞ホルモン)は徐々に減り始めていきます。このエストロゲンは生理周期にも密接に関わっており、分泌が減少して自律神経にも影響することで、心身ともにトラブルが起きやすくなるのです。

プレ更年期に起こる生理不順以外の身体の変化

プレ更年期にエストロゲンが減少すると、自律神経が乱れるため生理不順以外にも様々な心身の変化が訪れます。

体の変化

エストロゲンが減少し、自律神経が乱れることで体に次のような症状が現れやすくなります。

  • 不眠
    寝つきが悪くなる、眠りが浅くなるなどの症状から、良質な睡眠が取れなくなります。
  • めまい
    体がふわふわして安定感がなくなる、自分の周りが回転しているように感じるなどの症状を感じることもあります。
  • 頭痛
    片頭痛や緊張型頭痛(後頭部から両側にかけて起こる締め付けられるような痛み)を感じる。症状が重いと、吐き気を伴うこともあります。
  • むくみ
    体が水分を溜め込みやすくなり、足や顔がむくむ。
  • ほてり・のぼせ
    突然顔や上半身が熱くなったり、カーッとした熱感を感じたりします。体温調節がうまくいかず、汗をかくこともあります。

こころの変化

エストロゲンが減少し、自律神経が乱れることで、こころには次のような不調が現れやすくなります。

  • イライラ
    感情の昂ぶりを抑えられなくなるのは、プレ更年期によく見受けられる症状です。
  • 集中力、やる気の欠如
    今までこなせていた仕事や家事にやる気を持てなくなったり、ミスをしてしまうケースもあります。
  • 憂鬱、気分の落ち込み
    ほんの些細な事で落ち込んでしまったり、憂鬱な気分から抜け出せなくなったりします。

プレ更年期とPMSの違い

プレ更年期の症状を見ると、PMS(Premenstrual Syndrome/月経前症候群)に似ていると感じる方も多いのではないでしょうか。プレ更年期の症状もPMSも、女性ホルモン量の変化が関係しているという共通点があります。
しかし、PMSの症状は生理10〜14日前からはじまり生理開始と共に収束するのに対し、プレ更年期による不調は生理周期と関係なく起こるという違いがあります。生理周期と関係なくイライラやむくみなどの不調を感じる方は、プレ更年期の可能性を疑っても良いでしょう。

30代で生理周期が短くなった場合の対処法

30代を迎え、生理周期が短くなると不安に感じる方も多いでしょう。生理の周期や症状に変化を感じたら、以下の対処法を行うことで症状が改善するかもしれません。

  • 基礎体温をつけ身体の変化と向き合う
  • 睡眠をしっかりとる
  • 体を冷やさない
  • リラックスできる方法を見つける
  • 漢方薬を取り入れる

基礎体温をつけ身体の変化と向き合う

生理周期が短くなったと感じたら、まず基礎体温をつけることをおすすめします。なぜなら基礎体温をつけることで、排卵の有無やホルモンの分泌量の変化をある程度把握できるからです。女性の体温は、排卵日を境に「低温期」と「高温期」に分かれています。低温期がずっと続くようなら、無排卵の可能性を疑いましょう。

体調変化も記録する

基礎体温をつける際には、体温だけではなく体調の変化をメモしておきましょう。「少しふらつく」「イライラして子どもに怒ってしまった」など些細なことで構いません。婦人科を受診するとなったとき、専門医の診断に役立ちます。朝からペンを取り出しメモを取るのが難しいと感じる方は、基礎体温をつけるアプリを使用しても良いでしょう。

睡眠をしっかりとる

睡眠が不足すると、脳の視床下部の機能や自律神経が乱れます。そのため、視床下部の司令を受けて分泌される女性ホルモンのバランスも乱れてしまうことがあります。良質な睡眠を確保することで、成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンは、脳の下垂体から分泌され、子どもの身長を伸ばすだけでなく、大人になっても筋肉や骨の維持、脂肪の代謝促進、免疫力向上、精神安定など、全身の健康と若々しさを保つ重要な役割を担う「若返りのホルモン」です。
スムーズな入眠のために、眠る30分前はブルーライトカットする、アロマを取り入れるなどの習慣を取り入れることをおすすめします。

体を冷やさない

体温が低めの方は、冷えが原因で卵巣の機能が低下している可能性があります。足首やお腹を温める、小まめに体を動かすなどして体を冷やさないようにしましょう。また、筋肉量が低下すると血の巡りが悪くなるため体が冷えやすくなります。1日数分の有酸素運動やストレッチなどを行うと、血流が改善して程よい筋肉がつき、冷えによる不調は改善に向かうと言われています。

リラックスできる方法を見つける

プレ更年期による不安定なこころの症状と付き合うために、自分なりのリラックスできる方法を見つけましょう。自分の機嫌を自分で取るように心がけると、生きやすくなります。方法は何でも構いません。楽器を弾くことや歌うこと、友人とおいしいものを食べることなど他愛もないことで良いのです。「推し」を作るのも、気分転換に良いかもしれません。

漢方薬を取り入れる

ホルモンバランスの変化による小さな不調には、漢方薬が効果的です。プレ更年期による生理周期の変化などの症状によい代表的な3つの漢方薬を紹介します。

  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
  • 加味逍遙散(かみしょうようさん)
  • 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」は、全身や末端の冷えやむくみ、生理不順などの症状に効き目のある漢方薬です。全身に必要な栄養を与え、血行を促し水分代謝を正常化することで、不調を改善すると言われています。体力虚弱で、貧血の傾向があり疲れやすい方におすすめです。

加味逍遙散(かみしょうようさん)

「加味逍遙散(かみしょうようさん)」は、自律神経の働きをサポートし、女性ホルモンの変動によっておこるいらだちや不眠、生理不順の症状を改善すると言われています。体力中等度以下で、のぼせ感や便秘などを感じる方におすすめです。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」は下半身が冷えやすい人の生理のトラブル、シミなどの症状に効果がある処方の漢方薬です。全身の血の巡りを良くすることで、上半身ののぼせと下半身の冷えがある人の月経不順などを改善します。比較的体力があり、下腹部痛や肩こりなどを抱える方におすすめです。

婦人科を受診した方が良い生理不順

前述したように生理周期の変化は、多くの場合加齢による自然な現象です。しかし、生理に以下の3つの症状が見受けられる場合は、婦人科系の病気の可能性があるため婦人科を受診することをおすすめします。

  • 希発月経(稀発月経)
  • 過長月経・過多月経
  • 過少月経・過短月経

希発月経(稀発月経)

希発月経とは、生理周期が39~89日になることを指します。希発月経の原因は、多岐にわたります。例えば、ホルモン分泌や卵巣機能などのトラブルで排卵が起きにくい場合も、排卵までに時間がかかる体質である可能性もあります。また、過度のダイエットやストレスが原因で症状が起きるケースもあるのです。排卵をともなわない希発月経の場合は、不妊のリスクがあるだけでなく放置すると無月経になることもあります。無月経が長引くと月経が再開しづらくなり、エストロゲンも十分に分泌されず様々なトラブルを誘引するリスクがあります。早めに婦人科を受診しましょう。

過長月経・過多月経

過長月経とは、生理の期間が8日以上続くことを指し、過多月経とは1周期あたりの総出血量が140mL以上の場合を指します。量が多く期間が長い場合は注意が必要です。もしかしたら、子宮筋腫や子宮ポリープ、子宮がんなどの病気が原因かもしれません。さらに貧血気味などの症状がある場合は、早めに婦人科を受診することをおすすめします。

過少月経・過短月経

過少月経とは1周期当たりの総出血量が20ⅿⅬ以下の状態のことを指し、過短月経とは生理が2日以内で終わってしまう状態のことを指します。子宮の病気、無排卵周期症、甲状腺ホルモンの分泌異常などの可能性も考えられますので、早めに婦人科を受診しましょう。

【まとめ】30代で生理周期が短くなるのはプレ更年期の影響も。うまく付き合おう

30代を迎え生理周期が短くなるのは、子宮や卵巣、視床下部や下垂体の異変、あるいはプレ更年期による女性ホルモンのバランスの変化が原因と考えられています。加齢によるエストロゲンの減少は避けられませんが、生活習慣を改善することで症状の緩和は期待できます。適度な運動や規則正しい生活を心がけ、プレ更年期と上手に付き合っていきましょう。


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