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生理前食べすぎていないのに太る理由とは?体重増加の対処法も解説

【この記事の監修者】

千田信子(薬剤師・国際中医師)

株式会社自然の薬箱 代表取締役。薬剤師としての長年の経験に加え、国際中医師として東洋医学の知識を活かし、多くの方々の健康をサポートしている。漢方薬や自然療法を取り入れた独自のアプローチで、心と体のバランスを整えることを目指している。現在は、漢方薬局での漢方相談の他、アロマやハーブ・薬膳などの講座、ヨガや気功などのレッスンの開催を通じて多方面で活動中。
【取得資格】
・薬剤師
・国際中医師
・ (公社)日本アロマ環境協会(AEAJ)認定 アロマセラピスト
・ AEAJ認定アロマテラピーインストラクター
・AEAJ認定アロマブレンドデザイナー
・yuica認定日本産精油スペシャリスト
・グリーンフラスコ認定J-herbマイスター

※監修者は記事執筆者とは異なります
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生理前は心身ともにトラブルが起こりやすくなるため、憂うつな気分で過ごす方も多いのではないでしょうか。その中でも

  • 食べる量は変わらないのに太る
  • 食べる量を減らしても体重が落ちない

などの悩みを抱える方は少なくないでしょう。今回は生理前の体重増加の理由や、対処法を解説します。

生理前食べすぎていないのに太る理由

生理前の体重増加は女性の体の仕組み上、仕方がないことと言われています。生理前に太る理由としては、以下の3つが考えられます。

  • むくみ
  • 運動量の減少
  • 便秘

むくみ

生理前は「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という女性ホルモンの分泌量が増えます。プロゲステロンは妊娠を継続させる役割があるホルモンです。プロゲステロンの分泌量が増加すると体に水分や栄養分を溜め込もうとして、むくみや体重増加が起きやすい状態になるのです。また、プロゲステロンはイライラや不安などの情緒不安定を引き起こす作用もあります。

運動量の減少

生理前にはPMS(Premenstrual Syndrome/月経前症候群)により、倦怠感やのぼせ、ふらつきなどの体調不良がでる方がいます。そのような状態になると体を動かすことが困難になるため、運動量が減少する傾向にあります。消費カロリーが少なくなることにより、体重が増加してしまう方も珍しくありません。

便秘

生理前はプロゲステロンの働きで、大腸のぜん動運動を抑えられるため便通が悪くなります。また、プロゲステロンには腸壁からの水分吸収を促す作用があるため、大腸内に食べ物のカスなどが長くとどまるようになります。その結果、便が硬くなってしまい、より便秘が悪化するという負のサイクルを生み出してしまうのです。

生理前食べすぎていないのに太るのはいつからいつまで?

生理前のむくみや体重増加は、一般的に生理が始まる3~10日ほど前から始まると言われています。個人差はありますが、生理終了後1週間ほどで元の体重に戻ります。前述したように生理前の体重増加はホルモンバランスの影響が大きいため、生理が終わりホルモンバランスが整えば元に戻るケースがほとんどです。

生理前食べすぎていないのに太るときの対処法

前述したように、生理前の体重増加はホルモンバランスによる体質の変化によって起こるもので、生理が終われば元に戻っていきます。しかし、毎月の体重増加にストレスを感じている方も多いのではないでしょうか。そこで、生理前に食べてないのに太るときの対処法を、以下の6つに分けて紹介します。

  • 体を冷やさない
  • リラックスして過ごす
  • 睡眠をしっかりとる
  • 軽い運動やストレッチをする
  • 漢方薬を取り入れる
  • 症状が続く場合は婦人科に相談する

体を冷やさない

体が冷えると血流が悪くなるため、老廃物や水分が体内に蓄積し、基礎代謝が下がり太りやすくなります。温かいお風呂に入り体を温めることで、血行が改善し代謝が上がります。また、温かい飲み物を飲むことで腸内環境が整い、便通が改善する可能性も期待できるでしょう。

リラックスして過ごす

急に増えてなかなか減らない体重に、ストレスを感じるかもしれませんが気にしないことが大切です。不安やイライラの気持ちは、食欲を増進させる可能性もあります。「増えた体重も生理が終われば元に戻る」と楽に構えて過ごしましょう。

睡眠をしっかりとる

7~8時間を目安に、しっかりと睡眠時間をとりましょう。質の良い睡眠のために、最低でも就寝2時間前までには夕食や入浴を済ませてください。そして、睡眠前にはPCやスマートフォンの作業は控えることをおすすめします。ブルーライトを浴びると、睡眠を促すホルモンのメラトニンの分泌が抑制され、眠りが浅くなってしまうからです。照明を暗くして好きな音楽を流し、お気に入りの本を読むなどして脳をリラックスした状態に整えることで、スムーズな眠りにつくことができます。

軽い運動やストレッチをする

生理前の体重増加や体の変化は、一時的な生理現象であることが多いため、無理に頑張る必要はありません。ヨガやウォーキング、ストレッチ、マッサージなどのやさしい運動を、心地よいと感じる範囲で取り入れてみましょう。

漢方薬を取り入れる

生理前のむくみや体重増加の改善には、漢方薬も効果的です。西洋医学では治療が難しい女性特有の症状改善には、古くから漢方薬が使用されてきました。ここではおすすめの漢方薬を3つ紹介します。

  • 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
  • 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
  • 五苓散(ごれいさん)

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

防風通聖散は肥満症に用いる漢方薬の1つで、食欲旺盛で体力のある方向けの処方です。体を温めて脂肪の燃焼を促し、余分な脂質を便と共に押し出します。お腹周りをはじめとした、全身の脂肪を分解・燃焼する作用が期待できる防風通聖散は、生理前の便秘に悩む方におすすめの漢方薬です。

防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

防已黄耆湯は胃腸に働きかけ代謝を活発化させる漢方薬で、水分代謝を活性化させ、下半身などのむくみを改善する効果が期待できます。筋肉量の少ない方や疲れやすい方に適した処方で、体の水分循環を促し、むくみを改善すると言われています。むくみの症状に悩む方におすすめの漢方薬です。

五苓散(ごれいさん)

五苓散は体内の水分循環を促し、無駄な水分を取り除く作用のある漢方薬です。利尿作用をもつ代表的な方剤で、むくみだけではなく急性胃腸炎(繰り返し腹痛を伴う便意を催さないもの)にも効能が期待できます。

症状が続く場合は婦人科に相談する

生理前の困った症状が重い方は婦人科などの医療機関に相談しても良いでしょう。症状に合わせたピルや漢方薬の処方で、改善が見込める可能性があります。また、もしかしたら「甲状腺機能低下症」や「多嚢胞性卵巣症候群」などの病気の影響で体重が増えているかもしれません。自分でコントロールできないことは無理をせずに、専門家に相談することも大切です。

生理前に太るのはあまり気にしなくて良い!その理由

生理前に体重が増加するたびに、憂うつな気分になる方も多いでしょう。しかし、以下の理由から深く考える必要はありません。

生理後に体重は元に戻る

生理前の体重増加は多くの場合、プロゲステロンという女性ホルモンの分泌量の変化によるものです。前述したようにプロゲステロンには水や栄養分を溜め込む作用があるため、体重が増えやすくなるのです。しかし、プロゲステロンは生理が始まるとともに減少するため、むくみは解消され多くの場合体重は元に戻ります。「今は何をしても痩せない時期。数日で元に戻る。」と割り切って、ストレスを溜めずのんびり過ごすのも良いでしょう。

ダイエットは生理後からが効果的

生理前は太りやすい時期ですが、生理後は痩せやすくなるためダイエットに適しています。なぜならプロゲステロンの減少とともにエストロゲン(卵胞ホルモン)という女性ホルモンの分泌量が増加するからです。エストロゲンは代謝をアップさせ脂肪燃焼を促進させる働きがあります。また、エストロゲンの働きで精神的にも安定するため、食欲がコントロールしやすくなるという一面もあります。

生理後も体重が元に戻らなければ単に食べすぎの可能性も

生理が終わっても自然に体重が落ちない場合、食べすぎにより体重が増加している可能性があります。ホルモンバランスの変化によるむくみが原因の場合は、水分が排出されるため元に戻りますが、脂肪がついてしまった場合はなかなか元に戻りません。生理前は食欲が増進するため、甘いものや脂質が高いものについ手が伸びてしまいますが、適量に留めるように気を付けましょう。

【まとめ】生理前は食べていなくても太りやすい!適切なケアをして過ごそう

生理前はホルモンバランスの変動とそれに伴う反動で、むくみや便秘が起こるため体重が増加する女性が多く見受けられます。多くの場合生理が終わるとともに体重は元に戻りますが、生活習慣の改善で症状を抑えることもできます。しかし、「女性の体の仕組み上仕方ない」とある程度割り切ることも大切です。無理のない範囲の適切なケアをして、生理前の時期を穏やかに過ごしましょう。


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