漢方・漢方薬とは

Q. 漢方ってどういうものですか?

A.中国から伝わった医学を基に日本で発展した伝統医学の1つ。自然と人とを一体とみなし、独特の理論と経験から生み出された医学です。

Q. 漢方薬って何から出来ていますか?

A.草花、木、時には動物や鉱物など、天然物から出来ています。
これらを独自の理論や経験に基づき、一定の割合で混ぜ合わせたものが漢方薬です。

現在、粉薬や錠剤として流通しているの漢方薬の多くは、「エキス剤」と呼ばれるものです。
上記の素材をお湯で煮たてた液から水分を飛ばし、乾燥させたものに、でんぷんなどを加え、飲みやすく加工しています。

Q. 生薬の表示に「生」と記載が有りますが、どのような状態ですか?

A.「形の加工をせず、切り刻んでいない」生薬の形を「生:しょう」と言います。文字のイメージから「新鮮」「加熱していない」「なま」の状態を思い浮かべますが、一般的に「生」として販売されている生薬でも、ほとんどは乾燥品です。

「生:しょう」の形で流通しているのは、種(ヨクイニンなど)や花(ベニバナなど)など、切らずともそのままの形で扱える生薬です。

また、葉や茎、根、果実などを、取扱いやすいサイズに刻んだものは「刻:きざみ」「切:きり」等と言い、煮出しやすい形になっています。

「生」も「刻」も保存時は「湿気・光・空気」が大敵です。お茶の葉などと同様、開封後は冷暗所で、密閉・遮光保存してください。

Q. 漢方薬と西洋薬はどのように違いますか?

A. 西洋薬の多くは、人工的に合成された化学物質です。有効成分は基本的には1種類で(※)、からだのどこで、どのように働くか、およその仕組みが解明されています。1つの症状に対しピンポイントで働くことを得意とします。

一方、漢方薬は、複数の薬草や天然物の組み合わせで、1処方の中にも、数多くの有効成分が含まれています。そのため、からだ全体に働くと言われ、複数の症状への同時対応も得意とします。

「どちらが優れている」という事はなく、症状に合わせて使い分けいただき、おからだの健康にお役立てください。

※薬局やドラッグストアなどで手に入る「一般用医薬品(OTC)」の中には、西洋薬を複数種組み合わせたり、漢方薬と西洋薬を組み合わせた製品もあります。

 

Q. 漢方薬はどんな症状や病気に効きますか?

A. カゼ・お腹の不調・排尿障害・関節痛など、昔から人々を悩ませてきた、身体不調の他、特に最近増えている心の悩み(不眠・ストレスなど)にも対応する漢方薬があります。

漢方では、病名ではなく、自覚症状に従って薬を選びます。そのため、イライラする・食欲がわかない・冷えなど、本人は辛いのに「病院・検査で異常が無かった」「どうしたらいいか分からない」という症状でも、漢方薬が多く活躍しています。

※心筋梗塞・脳卒中の発作・くも膜下出血・アナフィラキシーショックなど緊急に処置を要するような場合、また、悪性腫瘍・重篤な外傷などは医療機関を受診ください。

 

Q. 漢方薬の名前には、どんな意味があるのですか?

①含まれる薬草の名前
メインの薬草名
葛根湯(かっこんとう)

クズの根(葛根)の配合を特徴とする漢方薬です。首筋~背中に寒気・こわばりを感じる、カゼの引き始めに使われます。

薬草の名前の組合せ
苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)

茯苓・甘草・生姜・五味子・半夏・杏仁・細辛の7種の薬草名から1文字ずつとった処方名。透明な痰が多く出る咳や鼻水などに使われます。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

当帰・芍薬が配合された、血の巡り、水分代謝を調える漢方薬です。

香蘇散(こうそさん)

配合生薬中のメイン成分、香附子・紫蘇から1文字ずつ取った処方名。気を巡らせる働きがあり、寒気のあるカゼの引き始めの他、精神的不調にも対応します。

 

②含まれる薬草の数
四物湯(しもつとう)

当帰・芍薬・川キュウ・地黄の4種の薬草で構成されます。血の巡りを調えることに優れた処方です。女性病の効能が目立ちますが、症状が合えば年齢・性別問わずお飲みいただけます。

 

③薬の働き
五淋散(ごりんさん)

「淋」とは、排尿痛・残尿感など排尿障害の総称です。五淋散は幅広い排尿障害に対応することから、この名がつけられました。
◎五淋とは、膏淋(尿のにごり)・血淋(血尿・排尿痛)・石淋(尿結石)・労淋(過労による排尿障害)・気淋(尿の出渋り)などを指します。(諸説あります)

 

④ ①~③の組合せ
≪①薬草の名前+③働き≫
銀翹解毒散(ぎんぎょうげどくさん)

金銀花・連翹がメインの処方「銀翹散」から芦根を除き、羚羊角(サイガカモシカの角)を加えた処方です。「熱感の強いカゼ」を払う(解毒する)働きがあります。

≪②薬草の数+③働き≫
七物降下湯(しちもつこうかとう)

7つの薬草(四物湯+釣藤鈎・黄耆・黄柏)から作られた、高血圧に伴う諸症状に対する処方です。高血圧に苦しんだ大塚敬節氏が、自身の経験から創作したものです。