松浦再生計画　骨子

松浦薬業株式会社
代表取締役社長
渡辺　知幸

2019年10月に社長を拝命し、社員に送ったメッセージは「Be cool !!＝ええかっこしよう」
これはコンプライアンス違反、事故、製品不具合、ビジネス機会ロスといった「かっこ悪い」ことを二度と起こさないようにしようという意味を込めて伝えたものです。すなわち行政処分を受けた当社の一員として再発防止、信頼回復のために襟を正そうという趣旨であります。
そのために常にお客様の課題を学習し情熱と感謝の念を持ってフェアでオープンに取り組み、さらにプライドを持って企業価値向上に挑戦しようという共通価値観（バリュー）をベースに日々精進して参ります。
そしてBeyond Kampoの世界観を普及させ、健康・未病段階のセルフケア・予防につなげるべく病気の芽を摘むソリューションを提供する企業体を目指し（ビジョン）、
健康で幸福な人生100年時代を可能とする社会づくり（Tradition and Innovation for Life）に貢献したいと考えております。（ミッション）

東洋医学的世界観とは、医食同源思想であるとか、気血水の巡りをよくすることで内なる正気（西洋医学では生体防御機能）の充実を図ることによって健康・未病段階のセルフケア・予防に貢献すること
であるとすれば、当社は従前から取り組んでまいりましたが、今後この市場ニーズとのマッチングを確かなものにするために科学的根拠に基づいたBeyond Kampoを進めていくことが自分たちのあるべき姿だと考えた次第です。

Beyond Kampoとは「漢方を超える漢方」、「未来の漢方」で人々の想像を超えたヘルスケアソリューションを提供する会社になろうという意味を込めたキーワードです。
しかしながら当社単独では「健康で幸福な人生100年時代の創造」という壮大な社会的課題の解決は不可能ですので、Beyond Kampoに賛同していただける方々とのコラボレーション（新結合）によってイノベーションを起こし、可能な限り社会貢献することを志向しています。
お声がけいただけるのを楽しみにお待ち申し上げますとともに、こちらからも積極的にご相談させていただきますのでその節はよろしくお願いいたします。

そもそも松浦薬業は温故創新、故きを温ね新しきを創るという「伝統」と「革新」の融合により人々の健康に貢献することをミッションとしておりました。
そこに予防的生活スタイルの変容、セルフメディケーション意識向上、非接触・非対面と言ったトレンドを踏まえた事業再構築を進めるにあたり
①既存事業の競争力、収益力を持続的に深化させる
②新しい事業の探索、創生をも目指す
この二本立ての会社として生まれ変わらなければならないと考えました。
そのことは、実はこれまで天然物を科学し創意工夫するメーカーとして取り組んできたノウハウを生かしつつ、生薬・漢方製品のメーカーとして営んできたことをまずはきちんとやれるように原点回帰すると同時に、これからはそれだけに留まらず東洋医学的世界観へのこだわりをベースにお客様の想像を超えたヘルスケアソリューションを提供する企業へと発展することを目指そうということであります。

最優先事項である現業復活、現業再構築において何よりも大切なことは、二度と法令違反をしないということです。
決められたルールに基づき実行する、このことが信頼回復の第一歩であることは言うまでもありません。
本年8月にはいわゆる改正省令が施行されます。文書類の整備、それに従った製造の確保、従業員教育、自己点検・内部監査の実施など松浦薬業PQSを確立し、製薬企業としてのガバナンスを構築します。また、健康食品、食品原料の製造・販売も行っており、6月より義務化されるHACCPに沿った衛生管理にも対応してまいります。

これらの計画を成し遂げるにはすべての役職員に、イノベーションを起こす意識改革 と 企業価値を高める行動力への行動変容が必要になります。
そして、その行動の素となるものは、
①リーダーシップ力（人や組織に対する影響力）
②戦略的思考力（物事の本質を見抜く力）
③コミュニケーション力（意思疎通の円滑化を通じて人を巻き込む力）
であると考えます。
これら３つのコンピテンシーを発揮できるヒトづくりに取り組んでまいります。
もし、お客様との商談やお打ち合わせ等において、当社の役職員がそれらを発揮できていないと感じられる場面がございましたら、是非ご指摘をいただけますと成長へとつなげることができますので、その点におきましてもご指導、ご鞭撻の程お願い申し上げます。

以上の取り組みを着実にこなすことにより「coolな＝かっこいい」会社に生まれ変わり、
2年で行政処分前の水準へ復活、5年で倍増という成長シナリオを実現させる所存です。